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「おっととと……」
溢れそうなビールの泡を慌てて口につける。
「私ね……一番は絶対、京子だと思ってたんだよ?」
「え?なんで?」
キョトンとする私を笑う真美。
「京子は気づいてなかったかも知れないけどさ、京子凄く男子から人気あったし……家事も高校生の頃から出来たし、頭もいいし……非の打ち所が無いスーパー女のコだったでしょ?だから私、密かに京子に憧れてた……京子みたいになりたいって。しらなかったでしょ?」
「し、知らなかった……」
テヘッと舌を出して笑う真美をハハハ……と苦笑いする私……
「京子は彼氏いたよね?いつ結婚するの?」
グサッ!!
真美の質問が私の胸を刺した。
「わ、私、彼氏とは別れたんだ……もうとっくの前に……」
「え………あ、ごめんなさい……」
申し訳ないと頭を下げる真美に慌てる私……
今日の主役に頭を下げさすなんてとんでもない!
「真美が謝ることじゃないでしょう!やめてよ~」
私が笑って手を振ると、真美も、うんとうなずいてくれた。
真美の後ろを見ると、真美の旦那様がこちらを見て微笑んでくれたので、私は軽く会釈をした。
「おめでとう…真美」
私の言葉にもう一度微笑んでくれた真美だった。
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