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「さ、掃除、掃除……」
私は立ち上がると、部屋の掃除に取りかかる。
結婚……したくない訳じゃない……
むしろ誰よりも幸せな生活に憧れていた……
「うわ~こんなに埃が……」
テレビの裏側を雑巾で拭く。
誰よりも……結婚して…幸せになりたかった……
けど、幸せな結婚をするには、幸せになれる相手が必要なのだ。
私と付き合っていた彼氏は、浮気をした……
それが許せなかった訳じゃない。
むしろ簡単に許せてしまったことに私はこの彼じゃない……と気づいてしまった。
「賢一と別れてからもう5年か……」
賢一(けんいち)とは元カレのことだ。
大学時代に積極的に私にアタックしてくれた賢一は背も高く、顔もイケメン……
会話も豊富で女性に優しい……
誰もが羨む彼氏だった。
「会話が巧い……女性に優しい……その時点で怪しいってなぜ気づかなかったかな~私……」
一人、つぶやきながら、部屋を掃除していくのでした。
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