9人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後。
心春が目を醒ますと、逸樹の姿がなく、置き手紙があった。
『心春ちゃんへ…少し仕事に慣れるために、今日からしばらく、昼まで仕事をする事にしました。部屋も探しているので、心春ちゃんの負担も減るかな?じゃ、行ってきます…逸樹。』
「そんな…負担だなんて。」
負担だなんて、一度も思った事なんかない。
いっくんとの生活を伸ばそうとした私のせい。
反対に、いっくんを苦しめてるんだと思った…。
夜。
心春がバイトから戻ると、夕飯を用意している逸樹がいた。
「ただいま…いっくん?」
「おかえりー。」
「何…してるの?」
「ん?夕飯作ってたんだ。これから、一人で暮らさなきゃだから、俺前は料理出来てたみたいだし、感覚戻そうかなって。」
「そっ…か…。」
それ以上、何も言えなかった。
何を言っていいかわからなかった。
彼が、私と別れて暮らす事を決めている。
私を思ってくれている。
そんな彼に、行かないで、離れないでなんて言葉すら、私は掛ける資格もない…。
最初のコメントを投稿しよう!