No.008

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ある日、心春のケータイに、逸樹からメールが届いた。 『心春ちゃん、元気ですか?俺は何とかやっています。1人のご飯にもようやく慣れて、記憶も少しずつ戻っています。もし、俺が心春ちゃんの記憶が戻ったら、俺たちはどうなるのかなとか、考えてしまいます。また、いつか会えたらいいね。じゃあ。』 心春は、逸樹へと返事をした。 『私は元気です。もし、いっくんが思い出さなくても、もう一度、私の事を思い出して。好きだってまた言わせてみせる。それくらいの自信はあるよ!思い出しても、私を好きじゃなくても…。でも、それまでは友達!みんなで、今度集まれたらいいね。』 心春ちゃんからのメール。 なんだか嬉しかった。 突然、別れを切り出して出て行った俺を、好きだと言ってくれる心春ちゃん。 もしも心春ちゃんも俺自身も、俺の記憶が戻るのはいつか判らないけど、お互いに好意がまだあったなら、やり直せるような気がした。
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