No.009

3/4
前へ
/73ページ
次へ
とりあえず、5人はカラオケで飲む事にした。 飲み始めて2時間。 どんどん、みんなは出来上がっていく。 そんな中、逸樹と心春は全く酔っていなかった。 「あれ?心春も逸樹も飲んでんの?!」 「逸樹は、酒強い…。」 「ココは弱かったよね?!」 「うん…最近強くなって…。」 なんて…答えたらいいのか判らなかった。 彼と飲んでいる内に、両親は強いから強くなったのかもなんて、今のこの楽しい場所では言えなかった。 すると、逸樹が口を開いた。 「俺と一緒に飲んでて強くなったんだよ。付き合ってる時に…。」 「いっくん…。」 なんか、ホントなんとなく、俺と心春ちゃんが過ごした日々は消せないし、消したくない過去だから、ない記憶の中じゃなく、分かってる記憶は、大事にしたかった。 どんなに、心春ちゃんを思い出せなくても、俺は今ある記憶で、心春ちゃんを大事にしたいと思ったんだ。 「へえ…やっぱ、両親が強いから、強い人に付き合って飲むと、強くなるのかしら?」 笑顔で、ハルちゃんが言ってくれた。 なんだか、彼との事を隠したり、悩んでいるのはおかしな事だと思えた。 別れても関係ない、私は彼が…いっくんが好きだから。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加