9人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
逸樹は、心春と会う約束をした。
『今度の土曜日、会って話がしたいです。ココちゃんがよければ、会いませんか?』
『土曜日?予定もないから大丈夫だよ!OKです!!』
約束の土曜日。
2人がよく通った、カフェで待ち合わせた。
心春が来ると、逸樹が既に待っていた。
「いっくん!ごめん。待たせちゃった?」
「大丈夫。俺が早く来すぎたんだ。ココちゃんも、10分前じゃない。」
「そっか。で、話って?」
「うん…。」
しばらく、沈黙が流れる。
どう、彼女に話を切り出せばいいか分からない。
また、断られる事を恐れている。
でも、俺は決めたんだ。
ココちゃんが好きだと伝える事を…。
「いっくん?」
「ココちゃん…楠心春さん。」
「は、はい!」
「もう一度、俺の傍にいてくれませんか?好きです。」
「えっ…。」
突然過ぎて、言葉が出なかった。
また、彼の傍にいていいのか迷っていた。
でも、彼は私を好きだと言ってくれた。
答えなんて決まってる…。
「もちろん!喜んで!」
「ありがとう、ココちゃん!」
逸樹は、心春に返された婚約指輪と共に、結婚指輪を心春に渡した。
心春は、涙を流したが、その顔には笑みがこぼれていた。
最初のコメントを投稿しよう!