No.010

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逸樹は、心春と会う約束をした。 『今度の土曜日、会って話がしたいです。ココちゃんがよければ、会いませんか?』 『土曜日?予定もないから大丈夫だよ!OKです!!』 約束の土曜日。 2人がよく通った、カフェで待ち合わせた。 心春が来ると、逸樹が既に待っていた。 「いっくん!ごめん。待たせちゃった?」 「大丈夫。俺が早く来すぎたんだ。ココちゃんも、10分前じゃない。」 「そっか。で、話って?」 「うん…。」 しばらく、沈黙が流れる。 どう、彼女に話を切り出せばいいか分からない。 また、断られる事を恐れている。 でも、俺は決めたんだ。 ココちゃんが好きだと伝える事を…。 「いっくん?」 「ココちゃん…楠心春さん。」 「は、はい!」 「もう一度、俺の傍にいてくれませんか?好きです。」 「えっ…。」 突然過ぎて、言葉が出なかった。 また、彼の傍にいていいのか迷っていた。 でも、彼は私を好きだと言ってくれた。 答えなんて決まってる…。 「もちろん!喜んで!」 「ありがとう、ココちゃん!」 逸樹は、心春に返された婚約指輪と共に、結婚指輪を心春に渡した。 心春は、涙を流したが、その顔には笑みがこぼれていた。
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