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あの日から一週間。
2人は再び、同棲する事にした。
すぐに、結婚する事も考えたが、2人が別れてから1年が経とうとしていた。
もう少し、夫婦ではなく、恋人として過ごす事にしたのだ。
「心春。じゃあ、仕事行ってくるから。」
「うん!あっ、逸樹!!お弁当忘れてるよ!」
「ああ!ごめん、ありがとう!」
「いってらっしゃい!」
「行ってきます。」
1年…俺たちは恋人に戻るまでかかった時間。
もう、彼女を悲しませないと誓った。
記憶のなかった半年、俺の中では、ずっと彼女がいた。
完全に忘れてはいなかった。
今思えば、記憶なんてなくたって、彼女を好きだという気持ちだけは、変わってなんかなかった。
もっと早く、気付いていれば…なんて、今更思っても仕方ない。
今は、彼女と一緒に生きる準備の最中なのだから…。
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