No.011

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あの日から一週間。 2人は再び、同棲する事にした。 すぐに、結婚する事も考えたが、2人が別れてから1年が経とうとしていた。 もう少し、夫婦ではなく、恋人として過ごす事にしたのだ。 「心春。じゃあ、仕事行ってくるから。」 「うん!あっ、逸樹!!お弁当忘れてるよ!」 「ああ!ごめん、ありがとう!」 「いってらっしゃい!」 「行ってきます。」 1年…俺たちは恋人に戻るまでかかった時間。 もう、彼女を悲しませないと誓った。 記憶のなかった半年、俺の中では、ずっと彼女がいた。 完全に忘れてはいなかった。 今思えば、記憶なんてなくたって、彼女を好きだという気持ちだけは、変わってなんかなかった。 もっと早く、気付いていれば…なんて、今更思っても仕方ない。 今は、彼女と一緒に生きる準備の最中なのだから…。
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