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ぶわり
風が顔に当たる。
思わず両腕で顔をおおい目を閉じる。
「誰だ」
男の声が聞こえた。
誰?
おそる腕を下ろし、目を開ける。
そこにはフェンスにもたれ掛かり私を見つめている一人の男子生徒。
風に煽られ靡いているくせ毛の髪は薄い茶色。
鋭い眼光が私をい抜く。
「えーと、誰?」
かっこいい。
そう言ってもいいその男子生徒に私は聞いた。
「質問してんのは俺だろうが、カス。誰だお前は」
ピキ
な、
なんなの!?こいつ!!
いきなり「カス」!?
失礼じゃない!?
「はっ、初めて会った奴に名のる名は持たないね!!」
好きな小説の言葉を引用してみました。
かっこいい?
「俺が聞いたら大人しく答えろやクズ」
なんという俺様。
「じゃあ、あんたから名乗りなさいよ!!」
てゆーか、最初の雰囲気台無しじゃない?
ここは普通恋に落ちるーてのがベタなのに!!
「俺を知らないのか?」
「知るわけないでしょうが」
そう言うと俺様男子生徒はじろじろと私を見てきた。
恥ずかしいじゃないか……嘘、恥ずかしくありません。
「藤原夕麒(フジワラ ユウキ)だ」
「ふーん……じゃ失礼しましたー」
退散しときます。
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