一時間目

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「ちょっと、蒼依っ」 顔を真っ赤に私の友達は私のもとに駆け寄ってきた。 「い、今の生徒会長だよね!?」 「みたいだねー」 がくがくと揺さぶられながら私は答えた。 視界が揺れる。 あ、気持ち悪くなってきた。 「なんであんたは平静なの!?」 「逆になんで由香はそんなにも興奮してんの?」 「なんでって……」 由香はため息をつき憐れみの目を私に向けた。 かなり失礼だ。 「いい?生徒会長、藤原夕麒君はね、成績優秀スポーツ万能おまけに家はお金持ちなの」 少女漫画で在り来たりなやっだな。 「おまけにかっこいいし学校中の女子は彼のこと好きなの、憧れなの。ファンクラブも近々作られるらしいし」 そこまで!? いや、あいつ性格悪いじゃん。 超俺様じゃん。 あって数分でわかったよ? 由香曰くそこもまたいいらしい。 よくわからんよ、女の子の気持ちは。 「で、彼となんか話してるようだったけど、何言われたの?」 「あーうん。生徒会に入れって」 あはははーと、軽く笑いながら言う私に対し由香は固まっていた。 題名をつけるなら【石化した少女】 「な、なーーーーっっ」 由香の叫びは学校中に響き渡った。 近くにいた私の耳はキーンと耳鳴りがおこった。 昼休み終了を告げるチャイムが由香の叫び声と重なった。
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