いち

6/9
前へ
/9ページ
次へ
3 ついに当日。 いつもの4人を中心としてクラス全体で円を作る。 「じゃあ、朱音!一言」 「準備をしっかりやったから後はやるだけ。カフェお化け屋敷やったるでー」 「おー」 クラス全員がなぜに関西弁?と一瞬思いながら心がひとつになった。 10時。開店。 お化け屋敷から始まりカフェで終わる。お化け屋敷の方は大盛況のようで、入り口から入れずに泣き出しそうになる声が聞こえる。 「キャー」 「やだー」 「だれー」 「帰りたいー」 カフェの方もレシピの通りに次々に売れていく。 「美味しい!」 「うめえ!」 「泣かずに頑張っ高いあったわー」 とどちらも大盛況。 「グワー」 「アー」 「ありがとうございました!」 休憩。 「お化け屋敷なかなかやるじゃん!」 「カフェも。めっちゃ売れるしさ」 「完売まじかだよ。」 「お化け屋敷はまだまだいけるよ。」 潤の一言だった。 「あ、そうだ!朱音と一応何あるかわかるけど翔太も入れば?以外と怖かったりしてハハハ」 「べ、別に怖くないし。」 「つよがっちゃって♪」 「2名様入りますぅ!」 と、朱音と翔太は2人で自分たちのお化け屋敷に入ることになった。迷路になってカーブが続く。 「以外と真っ暗だね。」 「うん。」 「電気ないし。」 「うん。」 「さっきから翔太うんしか言ってないけど、なしたの?もしかして怖いの?」 「げっ。こ、怖くないし。うわー」 「自分で作ったお化け屋敷なのに怖いとか。仕方ないなーお姉さんが一緒に行ってあげるから。」 と朱音は翔太の左手を繋ぎ前を歩く。 「ウッ。」 確かに手が震えている。それだけがよくわかる。 「やけに遅くない?」 「ほんと。普通は5分もかからないのに10分もかかってるよ。」 「よっぽど怖かったのか?」 「まさかー!」 と、潤と彩音はカフェのテーブルで出口から出てくる二人を待っていた。 「あっきたきた。」 「お帰り。」 「ただいま」 「あれ、翔太?手なんか繋いじゃって。」 「なんか、話そうとしても話してくれないんだ。」 「翔太らしいよ。ハハハ。」 実際はお互いにその手を離したくなかった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加