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ついに当日。
いつもの4人を中心としてクラス全体で円を作る。
「じゃあ、朱音!一言」
「準備をしっかりやったから後はやるだけ。カフェお化け屋敷やったるでー」
「おー」
クラス全員がなぜに関西弁?と一瞬思いながら心がひとつになった。
10時。開店。
お化け屋敷から始まりカフェで終わる。お化け屋敷の方は大盛況のようで、入り口から入れずに泣き出しそうになる声が聞こえる。
「キャー」
「やだー」
「だれー」
「帰りたいー」
カフェの方もレシピの通りに次々に売れていく。
「美味しい!」
「うめえ!」
「泣かずに頑張っ高いあったわー」
とどちらも大盛況。
「グワー」
「アー」
「ありがとうございました!」
休憩。
「お化け屋敷なかなかやるじゃん!」
「カフェも。めっちゃ売れるしさ」
「完売まじかだよ。」
「お化け屋敷はまだまだいけるよ。」
潤の一言だった。
「あ、そうだ!朱音と一応何あるかわかるけど翔太も入れば?以外と怖かったりしてハハハ」
「べ、別に怖くないし。」
「つよがっちゃって♪」
「2名様入りますぅ!」
と、朱音と翔太は2人で自分たちのお化け屋敷に入ることになった。迷路になってカーブが続く。
「以外と真っ暗だね。」
「うん。」
「電気ないし。」
「うん。」
「さっきから翔太うんしか言ってないけど、なしたの?もしかして怖いの?」
「げっ。こ、怖くないし。うわー」
「自分で作ったお化け屋敷なのに怖いとか。仕方ないなーお姉さんが一緒に行ってあげるから。」
と朱音は翔太の左手を繋ぎ前を歩く。
「ウッ。」
確かに手が震えている。それだけがよくわかる。
「やけに遅くない?」
「ほんと。普通は5分もかからないのに10分もかかってるよ。」
「よっぽど怖かったのか?」
「まさかー!」
と、潤と彩音はカフェのテーブルで出口から出てくる二人を待っていた。
「あっきたきた。」
「お帰り。」
「ただいま」
「あれ、翔太?手なんか繋いじゃって。」
「なんか、話そうとしても話してくれないんだ。」
「翔太らしいよ。ハハハ。」
実際はお互いにその手を離したくなかった。
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