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5
12月。
冬の寒さが増し雪も積もる日が続いた。
朱音は土曜日、用事があり昼から学校に向かった。途中に体育館があり元気な声が聞こえた。
「いちに、いちに、いちに、いーち」
聞き覚えのある声だった。サッカー部が体育館を使って練習をしていた。
「中山!いいぞ!シュート!!」
顧問の先生の声だった。翔太は前みたときより全てにおいて気合いが入っており、いつもとは違う翔太が目に入った。
朱音は用事を終え、学校を帰ろうとしていた。
「ドン」
「ごめんなさい。」
「ゴメン。」
誰かにぶつかりすかさず朱音と相手謝った。
朱音は顔をあげると翔太だった。
「翔っ」
翔太は走りさろうとしていた。朱音はすかさず止めた。
「待って!」
翔太は背中を向けたまま、その場にゆっくりと止まった。
「何?」
「あの日、どうしたの?」
「なんの日。?」
「ココア買ってくれて、信也さんの話をした日。いったいどうしたの翔太。」
翔太は口を閉じたまま。
2人の間を冷たい風が通り抜ける。そして、翔太は口を開いた。
「後悔をしたくなかった」
「後悔をしたくなかった?」
「率直にいう。いつからかはわからないけどお前が好きだ。」
「え。」
2人の黒い穴を埋めようとコンクリートが流れるような感じが2人の心に響いた。
しばらく、間が開く。
そして。
「翔太!私も好き!いつからかはわからないけど。」
朱音が口を開いた。
気づけばお互いが一粒の涙を流していた。
小さい頃から幼なじみで家も隣でいつからかお互いが好きになっていた。
朱音が翔太のところへ行き翔太も後ろを向きすかさずハグをしキスをした瞬間であった。
やっと2人の想いが伝わった瞬間であった。
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