審神者

戻りたい

「落ち着いた？」

いきなり背後から話しかけられて、悲鳴をあげて振り向こうとしたけど声は出ないし、相変わらず身体は動かない。
ナニコレ？怖すぎる…。

「身体が動かないのも声が出ないのも当たり前だよ。今のキミは魂で身体なんか無いんだから。動きたいなら魂を動かさなきゃ。」

そう言いながら美少年が現れた。
なんか、髪の毛はクルクルで大きな白い羽でマンガで見た天使のイメージが重なるけど、全体的に黒い。大きなバックルのベルトとかシルバーの金具が沢山ついた服と少しつり目気味の大きな目にパーマっ気のある茶髪はどちらかって言うと悪魔っぽい。天使って白いヒラヒラ服に金髪じゃなかったっけ？
しかも、目の前の羽の人ってすごい美形だけど顔立ちが明らかに日本人だよー。
…やっぱり夢見てるんだ。
でもこんな美形、知らないなぁ芸能人にいたかなー？

「僕は確かに元日本人だけど、芸能界とは無縁に生きてたからキミは僕を見たことは無いと思うよ。もっとも、今はキミの想像通り天使だから国籍とか関係無いけどね。」

あ、やっぱり天使なんだ。
変な夢だなー。

いや、夢だし変でもいいの?
あぁ、夢だから変なのか。