663人が本棚に入れています
本棚に追加
/275ページ
「春陽だって針谷に「俺、春陽みたいな人好きだぞ~?」って言われたらどうする?」
悠真はそういうのあまり言わないけど、言っても違和感はない。
「あははっ、ありがと!って言うかも?」
かも?じゃなくてホントに言うかもしれない。
「それ、何回も繰り返されて、本気で恋なんて思う?」
…それを言われてしまえば思わない。
じゃあ廉にとって、あたしの告白は恋みたいには聞こえてなかったのかな?
「ほら。告白!ちゃんと!してきなよ?」
ポンッとひぃちゃんがあたしの背中を押した。
行かなきゃ始まらない。
羞恥心?
そんなもの持ち合わせてない。
今すぐ向かっていくだけだ。
あたしは教室から飛び出すと4組の教室に走った。
ガラッと教室のドアをあける。
中を覗くと、廉の姿。
…でも、廉の隣には、数学の授業で話していた女の子がいた。
ズキッと胸が痛む。
前回みた時とはすこし違う痛み。
ふっと廉の目が一瞬細くなる。
…楽しいんだ。
その子と話していて楽しいんだ。
…廉。
そこはあたしの居場所。
廉の隣は24時間あたしだけ。
前はあった。その自信。
いつのまに無くなってたの?
あたしはガラッとドアを閉めた。
見たくなくて。
…こんな気持ちは初めてだ。
最初のコメントを投稿しよう!