嫉妬

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―――――放課後 結局廉とはお喋りできないまま一日は終わってしまった。 寂しいような、ホッとしたような。 そんな気分。 今日の帰りは一人。 廉はきっともう帰ってる。 悠真は気まずいあたしたちを見守っているだけだから、一緒に帰るなんて言わない。 そう思った。 思ったのに。 「春陽ー、帰ろうぜーっ♪」 上機嫌な声で悠真は声をかけてきた。 「…え。なんで…?」 震えた声で尋ねたら満面の笑みを返された。 「なにって?いつも帰ってるだろ!』 明るい声で何事もなかったように振る舞うことができるのは悠真の長所。 昔からよーく知っている。 こんなときは「ごめん」は駄目。 「ありがとう」も禁止。 「そうだよね」 って同じように振る舞うの。 そうすれば悠真は笑うんだ。 「俺、馬鹿なライバルはいらないから。」 帰り道 悠真が急に口を開いた。 「え?なに?どうしたの?」 聞くと、悠真はニヤッと笑ってあたしに聞いてきた。 「春陽はさー、もしも春陽の親友が廉に惚れたらどうする?」 ちょっといきなりでビックリ。 よく分からないけれど答えた。 「あたしは何もしないよ。そのまま。親友が好きなのも、廉が好きなのも変わらないもん、絶対」 それを聞いたら悠真はパアッと明るい笑顔を見せた。 向日葵みたいな笑顔。 ちょっと驚いた。
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