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「…だよな♪じゃあ親友が自分に好きな人譲ってきたら?」
…さっきからどうしたんだろう。
変な質問。
「んー、そしたらねー、宣戦布告…かなあ?」
「宣戦布告…?」
怪訝な顔をされた。
そんなに変かな?
「うん。だって、そうすれば後腐れもない気がするし!それにモヤモヤしないじゃん?堂々と相手に好きって言える!」
あたしが悠真に笑いかけると、悠真は柔らかく目を細めた。
「…確かにそうだな。」
その時の表情は、ちょっと悠真っぽくなくてビックリした。
悠真はいつも子供みたいな笑顔でニカッと笑うと思ってたから。
こんなふうに大人の男性みたいな顔で笑うなんて知らなかった。
「悠真…そんな顔するんだね?」
そう聞いたら、悠真はあたしの頭をクシャッと撫でた。
「…春陽が愛しいからだろ…?」
さあっと風が吹いて、風が悠真の声をかきけした。
「…なんか言ったぁ?」
あたしが聞くと、なんでもない、サンキューなって言われたからそれ以上は聞けなかった。
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