嫉妬

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「え!マジで!?」 感動的な雰囲気は完全にぶち壊して、悠真が俺の肩を揺する。 「…ウザい」 ため息まじりで言ったら、満面の笑顔で返された。 …もう、後戻りはできない。 恋愛抜きの『幼馴染み』には戻れない。 何も知らなかった俺達にはなれない。 しかも俺はまだハルへの答えが出ていない。 そんな曖昧でも そんな脆い関係でも 俺はまだなくしたくはない。 3人のままを。 それは俺の我が儘だと思っていた。 でも悠真が同じことを言ってくれた。 俺に行くなと伝えてくれた。 …でも、俺とハルが、もしもうまくいったら、悠真はどうするんだろう。 悠真と春陽が付き合ったら俺は? 何も、何も分からない。 ただ今を繋ぎ止めるようなこの関係が長くはもたないことだけは分かった。 …いつかきっと終わる日が来る。 もとに戻る道はもう残されてはいないから。 「…お兄ちゃん…。」 しんと静まった部屋にいきなり、か細い声が聞こえた。 と同時に悠真が笑顔になる。 「みなちゃん♪久しぶりだなーっ!?」 みなちゃん、こと兵藤美那都。 彼女が俺の部屋のドアをそーっとあけて顔を覗かせた。 美那都は俺の妹で、病弱。 だから今日も学校を休んでいた。
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