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『…そういえば俺の学校って秋田なんだ…。 赤ちん…秋田と京都なんて遠すぎるよ…。
なんで赤ちん京都なの?
俺も京都にする。
それか、赤ちん秋田にしてよ。』
やっと口を開いたと思えば
無理難題。
『もう決まったことだろう? 無理を言うな敦。』
『じゃあ、赤ちんを監禁する。 だって離れたくないもん。 征十郎は俺のだもん。』
そう言いながら、抱き締める力を強くしていく敦は
きっと本気だ。
…もん…って可愛いな。
なんて、変なことを考えていたら首筋に噛み付かれた。
『…ッ…敦ッ! 噛み付くのは駄目だって、いつも言っているだろう?』
そう、少し低めな声で怒れば
泣きそうな顔をしながら¨ごめん¨と呟いた。
『けど…だって…だって…。』
顔を歪めながら抱き締めてくる敦の唇に
自分のそれを軽く重ね
優しく微笑みかける。
『こんなことしなくたって、僕は敦のだし、敦は僕のだ。
どんなに離れても、それはいつだって同じだろう?
たった3年だ。
高校卒業したら、一緒に住むんだろ? そしたらずっと一緒だ。
3年くらい我慢できるだろう?』
『一緒に…住む…?』
『あぁ、違うのか?』
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