日常 ~蜜編~

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日常 ~蜜編~

私の朝は、インターホンから始まる。 *朝五時* ピンポーン 春の朝五時は、まだ外は、暗い。 こんな時間に来るとしたら、心あたりのたる人物だ。 ピンポーン ピンポーン ピンポーン 連続で、家の中が、鳴り響く 蜜:…起き…たく…ない…眠い。 寝ぼけまなこで、目覚まし時計を見つめる。 ピンポーン ピンポーン ピンポーン 毎回なぜだろう この家族は、誰1人動こうとしない。 布団から出て、玄関を開けると、ジャージ姿の秋が立っていた。 秋:おっは~。寒いぞコノヤロー! 朝からやけに、テンションが高い。 蜜:な~に? 寝ぼけが覚めず、目をこすりながら聞く 秋:マラソンだ!目指せ一位!! もう、口癖になりそうだ。 秋:日の出に向かって走ろう!! 古いくさいセリフと共に、指さす方向は、まだ太陽が出ていない。 冷たい風が、私達の体温を奪う。 春、そろそろ暖かくなっていい頃なのに、寒い。 ブルブルと体の震えが止まらない。 蜜:とにかく、解放しろ~!! ジリリリ ジリリリ 目覚まし時計のベルが響く 日差しが、顔に当たりまぶしい。 気のせいだろう いつも 私の朝の出来事の記憶が無い。最後の一言を言えば、気づけば、すでに私の部屋の布団の中。一体どうなっているのだろう。不思議に思いながら、布団から出て 制服に着替え始めた。 秋は、昔から特別の日?に限って、必ず朝早くやって来る。 なんとなく、気持ちが、わかる気がする。 入学、遠足、旅行、体育祭 学校の特別な日は、一番わくわくして、眠れないし、早く行きたいって心の中で思うんだ。 けど、終わった後が、ちょっぴり寂しい。 鏡にうつる私の姿って、中学生じゃなくて、まだ小学生のまま。 大人っぽくなる私の姿が想像が付かない。 学校へ行く準備ができたら、朝食を食べにキッチンへ行った。階段を降りて廊下で、 コンコンコン お母さんが、暖かいご飯を作ってくれている音が聞こえる。 蜜:味噌汁と目玉焼きかな。 キッチンへ着くと… 蜜:おはよー。ご飯まだ? ご飯を作っていたのは、昭和のエプロン姿との秋だった。 秋:おはよー。 リアルおままごとのワンシーンぽい。 昭和の家庭の匂いがする
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