第1章

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「ふわぁぁ…」 今日も、いつも通りの朝が始まる。 1人部屋なのに、部屋が大きいのは、元2人部屋だから。 お姉ちゃんが1年前からお嫁に行って、それからこの部屋は私専用のものになった。 そのおかげで部屋はちょっぴり寂しい。 だけどそれはもう慣れっこ。 「おはよう…と独り言………って、イタッ!?」 独り言が痛いんじゃなくて、物理的に痛い。 舌を噛んだ。 そんな難しい単語でもないのに。 朝からついてないなぁ。 まぁ、いいや。 私は起き上がって、部屋を出る。 1階に降りると、もうご飯の準備が出来ていた。 先にお兄ちゃんと弟がご飯を食べている。 「いただきます」 私は大口を開けて、ご飯を口に運ぶ。 すると、正面の弟、真琴がジーっと私を見てきた。 「?何?」 「姉ちゃんもついにつけ八重歯か…。 このミーハーめ」 「は?」 するとお兄ちゃんが目を輝かせる。 「本当だ!!八重歯の奏可愛いな~!!」 「八重歯…?」 「姉ちゃんいつの間につけ八重歯したの?」 「は?」 「鏡見てみ」 お兄ちゃんは私に鏡を渡してくる。 「……えええええ!?」 私の犬歯は、綺麗に尖っていた。
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