第1章

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「どういうこと!?」 「え?見に覚えないの?」 「さっぱりだよ…」 なんで八重歯がはえてるのよ!? 「可愛くて良いよー。襲われそうだなぁ」 「誰が襲うか変態兄貴」 全くお兄ちゃんは変態なんだから。 顔はイケメンなのに。 残念なイケメンの代表だよ。 「ちょっと真面目に考えてよ。 いきなり八重歯がはえたら可愛いだの言ってらんないよ…」 だから、朝、簡単な単語でも噛んだんだ…。 「まぁ、支障がないんなら、そのままで良いんじゃない?」 「良くないよ!!ホラ、真琴も!!お母さんも!!何か!!」 「うーん。歯が尖ったんじゃなくて、欠けたんじゃないかしら。寝てる間にどこかにぶつけて」 「神から授けられし能力がついに開花したんじゃ…」 「厨ニ乙」 朱鳥真琴。 中2かつ厨ニ。 もう、常に真琴の左手は疼いているらしい。 「お父さんに聞いてみたら?」 「こんなの、お父さんの管轄外でしょ。摩訶不思議な話をお父さんに相談しても、わかりっこないよ…」 「刑事の勘は鋭いのよ?」 「フンッ」 そう。 お父さんは刑事なのだ。 たまにしか家に帰ってこないからあんまり話したりはしないけど、普段は優しい。 …もちろん、怒ったら怖いんだけどね。 ちなみにお母さんはバイオリン奏者。 音大卒の、清楚おっとりお母さん。
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