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スッ………
龍友がそう言うやいなや、何人かの生徒が立ち上がったが、1人の女生徒が手を挙げて彼らの続くアクションを止めた。
一瞬でピリピリと張り詰めた空気となった教室で、手を挙げた赤い短髪の女生徒が主導を握り、言葉を発する。
「アンタ………今自分が何言ったかわかってるの?」
「己の本心」
「自分の腕によほど自信があるようね」
「んまぁそれなりにはね、そう言うお前さん……は~…このクラスの代表?」
ヒノモリ
「比野守 ミナよ。代表ってわけではないけど、特待生だから一応皆のまとめ役をやらせてもらってるわ。」
「あ、お前さんも特待生?」
「“も”?」
「俺も特待生だよ」
「!!」ザワッ
ミナを含め、クラス中の生徒が驚きを隠せなかった。
学園(ここ)で言う特待生とは、成績が良いのは勿論、デュエルの強さとデュエリストとしての人間性が優秀であると認められた者に与えられる称号であり、単純に強者の証でもある。
ミナは小等部からこの学園にいることで、長い期間の中で着実に成果を上げていき今年の春にようやくこの資格を手に入れた。
だか目の前にいるこの少年は転校初日である今日この日に、すでに持っていると言う。
チラリと生徒達が先生を見ると、
「掛橋君の言ってることは本当ですよ。校長先生から直々に確認を取りましたから。」
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