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生き抜く度胸は多くない。生き抜く気力も強くない。 それでも窓の外に広がる景色の中を、どこまでも歩いてみたい。冷たい空気にさらされても、倒れるほどの空腹を覚えても、その場所が外であるだけで、周りに家族がいないだけで、わたしは幸福を覚えるはずだ。 プレゼントも夢もいらない、9回目のクリスマス。今、時間が止まっている中でわたしが動ける奇跡を逃す手はないのだ。 わたしはサンタクロースの手を振り払おうとしたが、彼の力は思っているより強かった。正確に言えば、つかんでいるときは弱かったのに、拘束を解こうとした瞬間、力を入れられたのだ。 大抵こういう場合、相手は油断しているため、逃れるのは容易だ。よほど反射神経がいいのかその瞬間を警戒していたのか。と、そんな分析はどうだっていい。 「わたしがどうなろうと、あなたには関係ないでしょ。離してよ」 「目の前で危険な渦に飛び込もうとしている子を黙って見過ごすなんて、できるはずがないよ」 「あなたは優しい人なんだろうけど、放っておいてくれた方が幸せなことだってあるの。他の子にもプレゼント、配るんでしょ。わたしなんかに構ったって仕方ないよ。お願いだから、離して」
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