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夏休み中、暇さえあればずっと練習してたうり。
途切れることなく最後まで弾けていた。
でも鯉ちゃんの弾き方とは違う気がした。そりゃ弾いてる人が違うから当たり前…なのだけれど。
右手の弾き方に癖がついてしまうのが、うりの特徴。
一年生の時の三年生を送る会の歌の発表で、私とうりは一度だけ指揮と伴奏をやったから、そこで気づいた。
鯉ちゃんの方が歌いやすい伴奏…ってこと。
結果的に伴奏者はうりになった。
かき「うり、おめでとう!!」
かきちゃんに続いて私も言おうとした。
その時、ちらっと鯉ちゃんの顔が見えた。
あ…………
初めてみた、鯉ちゃんの悔しそうな顔。
ルナ「……お疲れ様。」
鯉「ん、あぁ…」
わかる、わかるよ。鯉ちゃん。
悔しいのは、私も経験したから。
一年生の時は、うりが今の私の立場だったな。
…もし、合格したら。
かきちゃんにも、鯉ちゃんと同じ顔にさせてしまうんだろうか。
指揮者のオーディションに移る。
先に終えたうりと鯉ちゃんは、部活に戻る。
鯉「……ルナ!!」
ルナ「んー?」
鯉「…頑張れよ。」
オーディションが、始まった。
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