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先手はかきちゃん。
指揮者のオーディションは、CDが流れるからそれに合わせるみたいだった。
かきちゃんがやっている間、私は音楽室の廊下で待機。
中からは明日に渡れが聴こえる。
猿「……ルナ?」
廊下で基礎練をしてた猿が、私の方へ来た。
ルナ「まだ、オーディション中。」
猿「お前もうやったの?」
ルナ「…これから。」
不思議と、緊張しなかった。
猿「…お前、絶対指揮やれよ。」
ルナ「…いや、クラス違うんだからあんたに問題はないでしょ。」
私は三組で、猿は一組。何も関係ない。
猿「そうだけど!!俺はお前にやって欲しいんだって!!」
猿の真剣な顔。
見てると、あの夏の日を思い出す。
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