~序章~

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三盟会という奴らは 各車両に二人ずついるらしい 持っているのは本物の 拳銃 弾はゴム弾ではない 自分たちで殺した死体は 次の停車駅でわざとの様にホームに投げ捨てる 車内には血と火薬のにおいが充満していた さっきのカップルも次の停車駅で 捨てられた その駅で隙をついて逃げようとした おじさんも並べられた 犯人たちは笑っている 笑いながら はしゃいでるようにも見える 時たま アナウンスがかかる これもまた はしゃいでるように聞こえた 犯人たちは 一駅に着くたび 隣の車両に伝言をしに行くのがルールらしい 連結部分に近い私たちは「どけッ!!」と怒鳴られた 怒鳴られついでに 近くのイスでうずくまっていた女の子に近寄る 「大丈夫?」と声をかけると 「はい」とおとなしい返事が返ってきた
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