~序章~

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もう一人が 違う車両へ移ったと同時に たっつんは飛び出した 「うわっ!」っと声を漏らす犯人 銃を構える余裕もなく たっつんは犯人の後ろへまわり そして鈍い音がした 犯人はぐたっとしてたっつんに もたれ掛った 乗客は言葉も出ないような あっけさだった わたしとみどりちゃんは 連結部分のドアを開ける 二枚の内一枚は運よく閉まっていた たっつんが連結部分に犯人の体を押しこめる 肩に掛けていた銃と 背中にしょっていた小さいバックを奪い バックを伊吹さんに投げた 伊吹さんは それを何事もないように 自分の持っていたスポーツバックの中に入れる 連結部分のドアを閉めたとき もう一人が帰ってきた とっさに たっつんは奪った銃を私のスカートの上に置き 座った 足をくっつけて銃を見えないようにする 上からその間に手を入れ銃を構える もしもの為に・・・ 乗客が一斉に顔を伏せた その喜びに満ちた顔を隠すために 犯人が声をあげた 「なんだ、まだアイツ報告終わらねぇのかよ~」 「ホントとろいなぁ」 その一言で片づけてしまい 不信がられなかった 残り もう少し、あともう少しで蜜ヶ谷だ!!
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