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またあなたは神崎(カンザキ)君を見ているのですね
授業中も、休み時間中も、食事中も...
暇さえあれば...いえ、暇が無くても神崎君を見ていますね
そんなにも神崎君が好きですか?
いつも違う女の人を連れているような人なのに...?
少し前に神崎君が女の人に対して言っていた言葉は忘れていないでしょう?
「俺、マジで好きな女しか名前呼ぶ気ないから」
あなたは昨日神崎君に、ケバい女呼ばわりされてましたよね
神崎君はあなたのこと、好きではないんですよ
あなたもそれはわかっているのでしょう?
なのに何故今も神崎君のことを見ているのですか?
私のことは見てくれないのですか?
私を好きになれとは言いません
ただ、あなたの瞳に私を映してほしいのです
あなたの瞳に私の姿が映るだけで幸せだから...
「わ、渡辺(ワタナベ)...」
ふと、後ろから私の耳に届いたのは男の人の声
渡辺...とは私のことか
自分のことだと理解した途端、私に突き刺さる多くの視線
...何故、と思いながら振り向くと
そこには
赤い顔をした神崎君が立っていました
私は思わず目を見開き、目だけであなたの姿を探します
やっと見つけたあなたと、私の視線が交わりました
それは
あなたの瞳に私が初めて映った瞬間でした
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