【第1幕・静寂】第1章・イラナイ休暇

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人質を取るとは、ただの馬鹿。むしろ人間のクズだ。 本当にテロリストって生き物は姑息であくどい。 管轄地の問題もあるから、できれば私は大人しくしていたかった。 またシリウスに嫌味込みのお説教を食らってしまう。 でもそうも言っていられない状況。 ピストルを手にし、足音を立てないように人質を取っているテロリストとの距離を縮めていく。 ピストルの安全装置を解除し、距離を0にしようとしたときーー。 「ーーっ、」 ずっ転けてしまった。しかも派手に。 これでは距離を縮めた意味がない。 原因は、慣れない裾の長いフリフリのワンピースに合わせましたと言わんばかりの踵の高いサンダル。 シリウスの好意を脳内変換で悪意にしてしまいたくなるほど踵の高いサンダルで私はつまづいてしまったのだ。 馬鹿シリウスめっ。 帰ってから覚えてなさいよ。 馬鹿シリウスのせいで目の前にはテロリストが構えている黒く光るライフルの銃口を突きつけられた。 手にしていた小型のピストルは転けた時にどこかにやってしっまった。
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