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「ええよ、そういうん苦手なんや」
手を横に振り、彼はまた笑う。
気にしてない、当然のことをしたと顔が言っていた。
癖のある訛り言葉に私に無いものを感じる。
私は彼に強く魅力を感じてこのままは別れるのは嫌だと思ってる。
「そう言わないでください。お願いします、それじゃ私の気が済まないので」
頭を深く下げた。
なんでこんなに私は必死になっているのだろう。
「わかった。じゃあ、そこまで言うんやったら、お茶一杯だけ奢ってもらうわ」
「ぜひ、事情聴取が終わったらこのホテルに来てください。コンシェルジュには話を通しておきますので」
「ありがとう。自分、ルークル言うんや。あんたは?」
「シャッテン=ルナードです」
「じゃあ、このホテルにまたあとで」
メモ紙にホテルの名前を走り書きで記す。
これは渡してはいけなかったものと私が気付くのはもう少し先の話ーー。
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