有り得ない、最悪。

12/14
前へ
/14ページ
次へ
「は・や・さ・き・く・ん☆」 「あ゙ぁ?」 「…………………」 ……キーンコーンカーンコーン ……………………。 俺はチャイムと共に目の前の野郎(?)に声を吐いた。 ………ナンダこいつ。 俺はそう言いながら、下駄箱を開けた。 すると、―――ドサァッ… 何か溢れ落ちてきた。 ………嫌な予感と共に下を向く。 それと、同時に 「付き合って♪」 目の前の変態から告白された。 ………な… ………ま……まじで、 有り得ない―――――…。 「…な、ナンダこの手紙は…」 俺は溢れた紙共を見て、寒気が走った。 「早咲君はモテてるからね、直接告うしかないと思って…」 「………ば、馬鹿かよ、俺には興味ねぇよ」 ……あくまで野郎全般に言っていたつもりだ。 「え?じゃぁどんな男になれば良いの!!」 ……テンション上げて聞くな。 …と、声に出さずに突っ込む。 「あっ、待てよ~」 そう言う変態供を無視して教室へ向かった。 「お前のせいだぞバカさき!」 「…………………」 昨日のウザイ復帰生が、何か知らないけど怒鳴ってきた。 ………無視するが。 「無視すんなよ!お前が昨日あんな自己紹介するから俺が反抗して…やり取りがウケて、見ろ!!このキモい程のラブレター!!」 そう言って野崎は大量の手紙をバラマイタ。 ……………知るかよ、 お前の都合なんて。 俺はガン無視を続けた。 「…おぃっ💢…」 「こら~お前等席に着けぇ!!」 ガラガラッ…と音をさせて、先公が野崎の言葉を遮った。 野崎は不機嫌な顔して席に着く。 「今日は転校生を紹介する」 先公の一言でクラスが急にざわつき始める。 ヒソヒソヒソヒソ… 「……転校生?」 ヒソヒソ… 「…この時期?好みの奴来てほしいわ」 ヒソヒソ…ヒソヒソ… …………おいおいおい。 ……何かエグい会話聞こえてきたし… “抱かれたい”? “付き合いたい”? “それ以上”? “緊縛プレイ”? 馬鹿か、信じられねぇ。 男だろ。 男子校だろうが、此所は。 「入って来い」 馬鹿達にうんざりしていると、先公が教室の外に声をかけた。 ……誰かが入って来る。 ―――「……失礼します」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加