有り得ない、最悪。

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「おい野崎」 七宮の隣に立っている男が言ってきた。 「は、はい?」 俺はオズオズと応えた。 「壁に後ずさるな、失礼だ」 男が厳しい目付きで言う。 「は、はぁ…すいません」 一応だけ謝る。 だが、七宮が変な趣味で或事に変わりは無い… 此処は生徒会だと思って謝ったが後ずさるなと言うのは無理だ。 「…お前、反省してないだろ」 男が見透かした様に言う。 俺はギクリとなる。 「そんな事ありませんよ?」 冷や汗かきながら。 「フン、まぁ良い…ならば此方に来い」 手で招かれる。 少し迷ったが行ってみる。 グイッ…引っ張られた。 「な、何っ…」 言い終わらない内に、ソファーに押し倒される。 「離れ…っ…!うあっ」 耳を触られてびくっとする。 (何だ今のさわり方!!) 耳に変な感触を憶えた。 憶えさせた変態を睨み付ける。 「俺は副生徒会長の宇都瀬杏…ヨロシク俺の仔猫ちゃん♪」 俺はアマリのセリフに口さえ震わせた。 「何、キス待ち?」 宇都瀬がニヤニヤしながら言う。 「んな理由ねぇだろが変態!!」 俺は叫び気味で言うが、宇都瀬は動じない。 「ちゃんと反省してる?」 「あぁ!?」 宇都瀬の言葉に俺はキレ気味で応える。 「駄目だよ、俺の仔猫ちゃんが…会長に止まらず壁まで誘惑しちゃぁ…」 宇都瀬は俺の頬を触りながら理由解らない事を言ってきた。 壁!? 俺はいやいやしい手を引き離して言う。 「気持ちワリィよ変態!!誰が仔猫ちゃんだ!?」 「…キミ…勘違いをしているね…俺が男を愛するレベルは会長をも超えるんだよ…?なのに会長に気に要られるとは…どんな手段で誘惑した…」 「してねぇよ!気持ちワリィ」 俺はアマリの変人言葉に寒気が走ってきたもんで、 我慢ならず言葉を遮った。 馬鹿気てる!! 俺まで変人にされてたまるかぁ!!
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