第一章 闇に覆われた蒼空

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しながら、接近してくる。 くそっ! 狙いにくい! 俺の懸念(けねん)は的中したようだ。 こいつには、ある程度以上の知性がある。 だが、想定内の事態だ。俺は、努めて冷静に敵を照準する。 至近距離で、何とか狙いがさだまり、撃つ。 「デューーーーーーーーーーーーッ!」 胸にレーザーを食らったブラック・マウスが、暗緑色の血を飛び散らせつつ、俺へ飛びかかってくる。 俺は、右横に飛んだ。 「つうっ!」 俺の左上腕が5本の鋭い爪に切り裂かれて、鮮血が後ろにほとばしり、左前腕が真っ黒な後脚で蹴られ、ビームソードが後方に飛ばされた。 ブラック・マウスは、再び、洗濯機群に隠れながら急速後退してゆく。 ……持つべき物は、予備だな。 俺は、もう1本のビームソードを抜いて、まわりを照明した。 ……腕が痛(いて)え。 血が止まらん。 止血を阻害する毒を、俺の体に注入しやがったのか? それとも、こういうものなのか? ブラック・マウスは、俺から遠ざかり続けている。
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