始まり

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僕は聖夜を無視して歩く、ちなみに買い物は嘘や、アイツから離れてはよ帰るために嘘ついたんや。 しかもなんや後ろに複数の足音が。 止まれば後ろも止まる、歩けば後ろも歩く。 僕はイラついて止まる。 後ろも止まる。 深呼吸して目を開き。 走る!。 「うぇ!?雪風!」 チラッと後ろを見たら案の定聖夜とビッチが追い掛けてくる。 けどこんなんまだ序の口や、僕は速度を上げて聖夜達を切り放す。 いくら聖夜と言えど流れで運動神経上がった僕には付いて来れんで小さくなってく。 僕はそのまま公園に入りベンチに座って息を整える。 空を見上げ目を閉じ自然の音を楽しむ。 すると突然おでこに冷たい感触が。 雪風「ひゃ!」 反射的に飛び起きると横から声を圧し殺したような笑い声が聞こえた。 そっちを見ると黒髪の長身な男性が口に手の甲を当て喉を鳴らしとった。 いつの間に近づいたんや?音も気配もせんかった。 思わず探るような視線に気づいたんか男性が僕を見た。 切れ長の黒目に見られ男の僕でもドキッとした。 「悪ぃなお前が息切らしてたんでこれ渡そうかと」 男性はそう言うて持っとるペットボトルを渡してきた。 それはスポーツ飲料で飲み掛け。 飲む前に聞こう。 雪風「ナンパ?」 「は?何で男が男にナンパするんだよ」 雪風「ホモならする」 「ハァ、とりあえずナンパじゃねぇよ」 男性はそう言うて隣に腰かけた。 僕はペットボトルを見てキャップを開け飲む。 冷たいのんと甘いのんが喉を潤す。 飲み口から口を離し上唇に付いた飲料を舐めとる。 「落ち着いた?」 雪風「えぇまぁ、あの、ありがとうございました」 僕はキャップを閉めてペットボトルを男性に渡す。 男性は微笑んで受け取った。
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