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少し進んだ頃だ。
はっと気がつき見渡すと道は二つに別れ、別れる道の間に一件の古本屋が立っていた。
田畑に続く道、山へ続く道、どちらもとれず、古本屋に入ることにした。
夜中に開いている古本屋とはどんな面白いものか。だけが気になっていた。
木製一軒家の昭和の匂いを漂わす古本屋の戸を横へずらしながら入っていった。
古本の壁が三列あり、通路は二つ。
何処にでもありそうだが、見かけない本屋の典型だった。
一つの通路を真っ直ぐ歩きカウンターに向かって声を出せば、カウンターの向こうから若い女性が出てきた。
まただ。
何かを喋り、何かを納得したような素振りをして一礼してからその店を出た。
不明瞭などなく、見知った道を歩くようにすらすらと歩くが何処に向かっているかはわからない。
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