入学のドキドキ

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齋藤トモエです。 今年から宮城野高校に入学します。 これからの高校生活の期待にドキドキとワクワクで胸の鼓動が華麗な8ビートを刻んでいます。 それにしても、見てください。この桜並木を!舞い落ちる桜の花びら。いや~、いいですね~。春ですね~。こう、なんて言うか素敵な学校生活が始まる予感です。 そうこうしているうちに見えてきました。あれが新しく我が母校となる所ですか。 私の学校、宮城野高校は進学校で卒業生の七割は有名大学に進学しているそうです。 ぱないですよ。 っと、校門が見えてきました。ついに私の輝かしい高校生活が幕を開けるのです! 「あー、君。待ちたまえ。」 透き通った綺麗な声。何というか歌手の人かと思ってしまうほどの美声。そう言った安いほめ言葉では逆に相手を侮辱しているかのような、まだ人間では言い表すことができないような美しい声。 その声の持ち主の方を見ると1人の女性が立っていた。顔立ちも整っており、長く伸ばした黒髪が似合うお美しい方がいた。 だが、目に入ったのはその人がつけている腕章だ。『生徒会長』と書かれている。 はっはー。この高校はこんな美人の方が生徒会長か。ぱないなー。流石は高校。中学校とはレヴェルが違う。(ヴェの発音がポイント) 私の中学校は中二病の巣窟だったからなー。今では痛い思い出だ。 「…君?大丈夫か?遠い目をしているぞ?」 「はっ!?すいません!つい、癖で!」 「はっはっは。そうかそうか。やっぱり私の目に狂いは無かったな。まあ、いずれまた。」 そう言って学校に行ってしまった。 「…何だったんだろう。」 私が疑問に思っていますと、周りの声がそれとなく入ってきます。 「生徒会長に目をつけられたらしいぞ、あの子。」 「可哀想に…。」 「また一人犠牲者が…。」 不吉な言葉が入ってきます。 あいやー。私の輝かしい高校生活の最初の1ページは皆さんからの憐れみの目線からスタートしましたよ。ありえねぇよ。同情するなら金をくれ。 しかし、なぜ私は哀れまれなきゃいけないんだ?
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