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―――只、誓う。
お前のためだけに俺は此処に在る。
お前が望むなら、俺は何だってしよう。どんなことだって成し遂げよう。
お前が望むなら、人の命を奪うことさえ厭わない。きっとお前は、そんなことは望まないだろうけど。
お前がなにかを奪われて、哀しむのなら、俺が代わりに、お前を傷付けた奴から大切なモノを奪ってやろう。
俺は、お前の傍に在る。
例え、お前の心が壊れてしまっても。
お前が変わらない限り、俺はお前のために心を砕こう。
――――お前が死する、その時まで。
頬を伝う幾つもの雫をそのままにして、刻は呟くように言った。
「……お前が死した、その時は」
――俺はお前の骸を抱いて、また此処に来るだろう。
そして俺は、お前の死に嘆いて。
またお前の魂を継ぐ者を捜して。
俺は、お前と出逢って。
お前の傍に在り続けるだろう。
「……だから」
刻はポツリと呟いて。
放られている朔の手を自分の胸に添えた。
いつかお前が
――…俺を、壊してくれ
壊れてようやく、俺は眠りにつけるんだ。
永遠という、長い長い眠りに。
それまで俺は…………
唯一俺を壊せるお前を護り続けよう。
「それが…………」
今宵誓ったことなのだから。
俺は願っている。
いつか、俺の時が刻まれることなく、止まってしまうその瞬間を。
*End*
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