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局長、近藤勇。
副長、土方歳三。
一番隊組長、沖田総司。
八番隊組長、藤堂平助。
十番隊組長、原田左之助。
そして、恵比寿屋。
屯所内のある一室に集まった面々である。
「えー、こほん。恵比寿屋さん、かね。よく来てくれた。」
主に土方から醸し出される剣呑な雰囲気を払拭しようと近藤は武骨な顔に穏やかな微笑みを浮かべた。
「お初にお目にかかります。私平素は見世物屋を生業としております、恵比寿屋と申します。以後、どうぞお見知りおきを。」
鈴をふるような声で頭を下げれば長い黒髪が畳の上に落ちる。
整った横顔に原田はほう、と溜め息をついた。
「べっぴんさんだなあ・・・「原田さん、恵比寿屋さんは男の人ですよ。」
ともすればふらふらと恵比寿屋に寄っていってしまいそうな原田に沖田が釘をさす。
「原田様、それに藤堂様も元日の折は不躾な真似をいたしました。どうぞお許し下さい。」
頭を下げたまま謝罪する恵比寿屋に、ようやく土方が口を開いた。
「謝罪の余地があると考えてるってこたあ、ただ首切られにきたわけじゃなさそうだな」
「ひ、土方くん・・・!」
「土方様、どうぞそんなに私を警戒なさらないでください。眉根に皺を寄せていては、折角の美顔が台無しにございますれば・・・」
殺気丸出しの土方を軽く目で抑えると恵比寿屋は居住まいを正した。
「私、さる御方から新撰組に協力するよう密命を帯びて参上いたしました。」
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