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「お待たせしました・・・我が隊への入隊を希望だと聞きましたが・・・っ!?」
門の下、凍てつくような寒さの中ですっくと立つ青年を見て藤堂は絶句した。
「・・・」
そこにいたのはとんでもない美青年。
まず目を引いたのが腰にまで届きそうな烏の濡れ尾羽―艶やかで一寸の歪みもない黒髪。
髷を結わずに伸ばしている隊士が多い新撰組ではあるが、ここまで長いのは沖田ぐらいであろう。
してその顔立ち。
すっと通った鼻筋に椿のごとく赤い唇。
寒空を見上げる瞳は大きく、切れ長の二重が美しい。
声をかけたと同時に流されたその視線に藤堂は不覚にもどきりとしてしまった。
(び、びびび、び、、びっ、びじん・・・!!!!!)
内心大きな衝撃を受けている藤堂がいることを知ってか知らずか、彼は藤堂を目に停めると大きく破顔した。
「ああ、よかった!!このままずっと、お通し願えないのかと思っていました!!」
その笑顔。
黙っているときは凛とした美しさを感じさせたのだが、にっこりと笑っている顔は存外に幼く、たいそう可愛らしい。
寒さで染まった桜色の頬がなおさら愛らしく見える。
(これは・・・まあ・・・あれだな・・・なんというかまあ・・・)
「・・・し、・・・も」
(とんでもないべっぴんさんがきちゃったってかんじだなあー・・・)
「・・-?、」
(この男所帯でこの人だいじょうぶかなあー・・・)
「もし、どうなされましたか?」
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