第一章

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おおーやっぱりナツちゃんの手は大きい。 撫でくりまわされるままにしていると、ナツちゃんがほんの少しだけ微笑んだ。 「シノちゃん」 「んー?」 なあなあに返事する。 「そろそろ行くか」 「おー」 「忘れものはないか?」 「お前は俺のオカンかっ! ていうか、今日はほとんど持ち物いらなくね? 入学式だし」 「あらやだ、だぁりんってばネクタイ曲がってるわよ」 「ありがとうはにぃ」 珍しくノってくれたナツちゃんにネクタイを戻してもらい、両手を上にあげて強張った背筋を伸ばした。 ポキパキバキッと異様な音がして途中で放棄☆ だってビビるじゃん? 「あー憂鬱だ…」 こーゆーときってさー、いっつも長いよなお偉いさん方のお話。 「この学園はちょっと特殊だからか、理事長と生徒会の話だけで終わるみたいだぞ」 だからお前はエスパーか。 って、え? 「それマジ?」
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