第二章

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え、え、え…ど、どうしよう。 周りのチワワちゃんたちは鼻血を吹き出し倒れ、またある者はこちらにGJ!! と親指をたて、他の人たちは前かがみになってどこかへ走っていくかこちらを凝視していた。 なんか……その、いたたまれない。 カオスだわー。 いつの間にかナツちゃんの手は襟首から離されていた。 どうしよう、と見上げるとナツちゃんも固まっていた。チッ、肝心なときに役にたたないヤツめ! これはもう、逃げるしかないよね。 「じゃ、先輩そういうことでさようなら」 「えぇ? あ、うん……ま、またねっ時任くん」 「はい!」 めちゃくちゃ癒される梓先輩に手を振り返し、俺は靴箱まで全力ダッシュした。……体力がないので途中でダウンしたけど。 ま、それはご愛嬌ってことで。 俺はできる限りのスピードでその場から逃げ出したのだった。
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