プロローグ

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   そもそも、お目当ての人物に当たる確率並びに選ばれる可能性は低い。  それに、選ばれるという事は両者が真剣にダンスをしている事なのだが、それは両者が少なからず相手を好いているから成り立っている。  逆にどちらか一方が嫌えば、又は両者の場合は否応なしに手を抜くだろう。  誰だって、好きでもない人物と例えジンクスであろうとカップルに成りたいとは思わないのだから。 「ヨォーーシ、お前ら順番にクジを引け。くれぐれも、クジを交換するなよ!男は青、女は赤の箱からクジを引け!!」  クジ箱をクラス順に引く。  辺りから「お前何番だよ?」や「〇〇番の人だれーー」と、速くも賑わいをみせている。 「何番だった? 因みに俺は94だ」 「えっと……7番だよ」  すると、後方からとある女性陣の声が耳に留まった。 「玲奈ちゃんは何番だった?」 「うーーんと、私は7だよ。そっちは~~?」  ーー………………。  チラリと横を向けば、友人が涙目でこちらを見ていた。 「お願い、クジ交換して。お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いおねーー」 「ストーップ! ストップストップ、交換するから落ち着いて……ね?」
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