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余り、彼女に関心が無い九条はクジを友人と交換する。お祭り状態の友人を背に自身の相手を捜す。
が、見つからない。 知人に聞くのは迷惑が掛かる。なら、どうするか。
周りを見ればペアが殆どだ。どうするべきか。立ち止まっていると、ポンポンと肩を叩かれた。
振り向けば、剛先生が立っていた。
「せ、先生!?」
「おう。なぁ……お前の番号って94か?」
◆ ◆ ◆
「えっと、204号室は……此所か」
上の階で皆が踊るなか、九条だけが下の階に居るのには訳がある。
先生の話を要約すると、お前の相手は部屋で休んでいる。先生は生徒の採点に忙しいからお前が呼んでこい。
何でも船酔いで気分が悪くなったらしい。しかも同じクラスの者ということはが選ばれた理由のだめ押しだ
九条はドアをノックして、優しげに言った。
「桐島さん大丈夫? 先生に見舞いに来る様にいわれた九条だけど……入るね」
先生から預かっているマスターキーでドアを開く。ところで先生が女性の部屋に異性を入れさせるのは、どうだろうか。
まあ、九条ならば大丈夫だろうと、信用又は押し付けられた感はあるが。
部屋を覗けば窓際のベッドの毛布が膨らんでいた。
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