第1話

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ベットとテレビと窓とドアと机と、その上に日記張しかない殺風景な私の部屋。 その部屋の真ん中で私は脚を抱え込みうずくまっていた。 寝ようにも寝れなかった。寝たらまたあの悪夢を見てしまう......今でもまだ寒気がするほどの恐怖を感じる夢だった。 私はそんな恐怖を振り切るように立ち上がり、机の上の日記張を手にとる。パラパラとページをめくりながら今まであったことを思い出す。私が中学校に通いながら書いてきたこの日記張は角が折れて、表紙にはなんらかの汚れがついている。たった一年間しか使っていないこの日記張には私の生活が細かく記されていた。なんだか普通の日常が愛しく思えてきて最初のページに戻り、じっくり読むことにした。
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