384人が本棚に入れています
本棚に追加
「移動するから、ちょっと待ってね。」
携帯を耳に当てたまま、店の軒先までやってきて会話を再開する。
屋根のある部分は狭く、雨に濡れないように壁にピタリと張り付いた。
「涌井さんからは何も聞いてないんだけど?」
『すみません、僕から話すとお伝えしていたので。
電話しておいて何ですが、出来れば会ってお話しさせていただきたいんです。』
内容を濁す彼の態度。
嫌な予感がして、不信感たっぷりの声色で尋ねる。
.
最初のコメントを投稿しよう!