第1章

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「移動するから、ちょっと待ってね。」 携帯を耳に当てたまま、店の軒先までやってきて会話を再開する。 屋根のある部分は狭く、雨に濡れないように壁にピタリと張り付いた。 「涌井さんからは何も聞いてないんだけど?」 『すみません、僕から話すとお伝えしていたので。 電話しておいて何ですが、出来れば会ってお話しさせていただきたいんです。』 内容を濁す彼の態度。 嫌な予感がして、不信感たっぷりの声色で尋ねる。 .
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