第1章

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小山君に指定されたのは、役所から数駅離れた有名なカフェ。 彼は自分が出向くと言ってきたが、職場近くで会うとなると、人の目が気になる。 二人でお茶してるところを職員さんにでも見られようものなら、翌日から大変だし。 私も一度行ってみたいと思ってから、丁度良かった。 朝から振り続いていた雨は漸く止んだ。 途端に左手に持つ傘が鬱陶しくなるも、そのお気に入りの色を愛でることで紛らわせる。 来る梅雨に向けて、先週買ったばかりの傘は、淡い水色に主張し過ぎない白の幾何学模様。 早速の出番を迎えてしまうと、やっぱりレインブーツも欲しいなぁと、また物欲が燻り始めた。 .
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