第1章

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小山君もオーダーを待ってくれていたようで、目の前にはお水しか置かれていない。 彼が、先にどうぞというように手を差し伸べる。 「じゃあ、カプチーノ。」 「シェケラートで。」 かしこまりました、とスタッフさんが去ると、私はもう一度メニューに目を通す。 ……シェケラート? 私の疑問を察した小山君が微かに微笑んで口を開く。 「カフェ・フレッド・シェケラート。エスプレッソで作るアイスコーヒーと言えば解り易いですか? 珍しいもの置いてるので、勉強がてら頼んで見ました。」 「勉強。」 「はい。カフェでバリスタやってるんです。まぁ、バイトですけど。」 小山君はテーブルに置かれたグラスに手を伸ばすと、一口含んだ。 .
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