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「制作スタッフをお願いしたいっていうのは解った。
……あのさ、私と小山君が同じ公演に参加したのって一度切りだよね。」
「はい。」
「私、その公演はスタッフとして参加してたから気付いてないのかも知れないけど―――。」
「知ってますよ。」
小山君が私の言葉を遮った時、お待たせしました、とテーブルに置かれたカプチーノ。
そして、小振りのグラスに揺らめく漆黒の液体。
それは、まるでカクテルのように表面に細かな泡を湛えている。
スタッフさんは、オーダーを確認すると、ごゆっくりどうぞと、にこやかに去っていった。
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