第15章

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はぁ……。 ロビーに誰も居ないことを確認してから、深い溜め息を吐く。 昼公演の動員数は19名。 正直、目も当てられない結果に終わった。 天候のせいもあるけど、元々動員予定の少なかったこの回。 もう少し制作としてやり様があったんじゃないかと落ちる気持ちをさとられたくなくて、優里やお手伝いの皆さんを休憩に出した。 受付から、ふと目を向けた窓の外は。 雨風は随分と弱まり、この分だと夜の回には天候も回復しているかも。 落ち込んでても仕方ない、か。 気持ちを切り替えて客席を整える為に劇場の扉を開けると、一人佇む虎太朗君の姿を見つけた。 .
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