第16章

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「解ってるわよ。 だって、ねぇ?……出てるんでしょ?」 「……。」 口籠る私に、ニタァッと嫌な笑みを浮かべる母。 「いつもお世話になってるんだから、御挨拶位しないとねぇ。」 「ちょっと!声掛けたりしないでよ!」 「差し入れってどんなものがいいの?男の人じゃ解んないわね。甘いものでも良い?」 「どうせ打ち上げの時に皆で食べるから何でもいいよ。 ……お願いだから、余計なことしないでね。」 「はいはい、五月蝿いわね。減るもんじゃなし。」 聞いてるんだか解らない母の生返事に、私はがっくりと肩を落とした。 娘の彼氏に興味津々な母親程、厄介なものはない……。 .
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