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「解ってるわよ。
だって、ねぇ?……出てるんでしょ?」
「……。」
口籠る私に、ニタァッと嫌な笑みを浮かべる母。
「いつもお世話になってるんだから、御挨拶位しないとねぇ。」
「ちょっと!声掛けたりしないでよ!」
「差し入れってどんなものがいいの?男の人じゃ解んないわね。甘いものでも良い?」
「どうせ打ち上げの時に皆で食べるから何でもいいよ。
……お願いだから、余計なことしないでね。」
「はいはい、五月蝿いわね。減るもんじゃなし。」
聞いてるんだか解らない母の生返事に、私はがっくりと肩を落とした。
娘の彼氏に興味津々な母親程、厄介なものはない……。
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