第1章

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その日は朝から雨が振り続いていた。 昼休みになっても止む気配すら見せない薄暗い空の下、傘と財布を片手に同僚達と行きつけの店へと向かう。 そこは気軽に入れるイタリアンのお店で、料金もリーズナブル。 しがないお役所勤めの私達にはありがたい限りだ。 ただ、イタリアンなだけに、結構ガーリックが効いていて、午後からの窓口業務は多少気が引けるけど。 私達は席に着くと、早速メニューを開く。 パスタソースが選べる日替わりランチをオーダーしたところで、ジャケットに突っ込んでいた携帯が震動し出した。 .
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